昨今、自動車趣味は多様なグループが存在します。同車種の集まりやツーリング同好会・改造の方向性のグループ。特に改造に関しては様々なカテゴリーがグループ化されてます。そのなかで『USDM』と言うグループは何なんでししょう?
 『 USDM 』とは、『 United States of America domestic market 』の略称です。アメリカ合衆国市場の為の商品と言う事になります。これは自動車の枠だけの事ではなく全ての商品に当て嵌まります。
 例えば、暑い国にコートやダウンジャケットの需要が無い様に世界中で其々文化、環境、など生活様式によって生まれる商品は違いますよね。A4の真っ白なコピー用紙単体は世界共通ですが、コピー用紙の包装の表記が英語だったり日本語だったり、ハングル文字などで 国別の差異が生まれます。それのアメリカの生活様式・環境・文化・法律に合わせた物が『 USDM 』となります。
 特に自動車に関してのUSDMは...アメリカは自動車で戦後世界のトップで自動車産業大国でしたが、のちにヨーロッパや日本から車が輸入されアメリカ合衆国は自国の産業を守るためアメリカの車両基準を年ごとに厳しくしていきました。同時に日本も国内の自動車産業の保護の為、税金や様々な車両法規で輸入させない様にしていきます。所謂、貿易摩擦です。通常は国は、自国の産業の保護の為、関税かけて輸入をコントロールするのですが、非関税障壁も備えます。小さくて燃費の良い輸入車に対してアメリカが取った措置は安全基準による運転手の保護360cc時代の日本の軽自動車やミニ・フィアットは安全委準の強化によってアメリカから締め出されたりしましたが、それでもアメリカ国民は日本車 ヨーロッパ車需要が年々高まり、同時にアメリカ合衆国もより強化して今に至ります。シトロエンなんかもハイドロシステムが認められずアメリカ市場から撤退しました。特に日本車にはより厳しく規制しました。
  アメリカ車の魅力はV8エンジン代表されるの大排気量車でしょう。しかし日本国も自国の自動車産業を守る為、排気量別の自動車税で対抗してます。貿易摩擦から生まれたアメリカの車の基準、法規は、同時にアメリカから輸出出来ない車にもしてしまいました。(笑)日本とヨーロッパ車間ではアメリカの様な大きな違いが無いのは貿易摩擦が大きな問題では無かったからでしょう。

 1980年代、アメリカに日本は自動車の輸入関税撤廃を追まれアメリカも輸入関税無くす条件で関税を撤廃しましたが、アメリカ車では無く、メルセデスやBMWが大量に輸入されるようになりました(笑)BMW3シリーズが六本木のカローラと呼ばれてた頃です。8マイルバンパー・オートシートベルト・レンズ・ガラス・DOT表記などアメリカ独自の文化は貿易摩擦から生じた物と伺えます。特に日米の差異は大きく、道路の広いアメリカに対して道路の狭い日本。運転者同乗者保護のアメリカに対し歩行者等の保護の日本その思想の違いは可倒式ミラーやウレタンバンパー、側面方向指示器有り無し等の違いに見られます。また巻き取り式リアシートベルトは早くからアメリカでは採用されてました。解り易いところでは、マイル・ポンド表記・温度表記の他、広大な大地で夜、進行方向がどちらか解る様に見せる前オレンジ、後ろ赤のリフレターのサイドマーカーランプ。生活様式の違いでは、手洗いのアメリカに対して洗車機の日本はアンテナ等で伺えます。
  アメリカの燃料セルフ給油と日本のフルサービス給油文化の違いから生まれる燃料計の給油口・表記。またフィラーキャップの違い等々。自動車趣味としての『 USDM 』は上記様々な差異や意匠の違いを楽しむ事になるのですが、『 USDM 』と称される以前からUS仕様アメリカ仕様・北米仕様と呼ばれ、部品単体で交換されたりはしてました。
  余談ですが 北米仕様の北米はアメリカ・カナダ・メキシコの事になるのですが、何故アメリか仕様が北米仕様かと言えば多くの日本企業のアメリカ本社が、ノースアメリカ○○と言う法人名だからです。1970年代〜80年代多くは国内で輸出用も生産してました。そこでメーカーさんはどこ向けかの車と言う時に北米向けと言うたのが発端だそうです。

 何故『 USDM 』と呼ぶようになったかは、アメリカにおける『 JDM 』文化を紹介しなければなりません。『 JDM 』は、『 Japan domestic market 』は、アメリカでの改造グループです。先に述べた様な違いはアメリカの日本車乗りにも響きました。自動車大国アメリカでは自動車の改造は市民権を得てます。日本車の改造も1960年代の輸出初期時からあったそうです。今では考えられませんがインターネットの無い時代、日本車の改造は手探りで日本と馴染みのある方が日本の物で改造してた様です。
  よって日本人・日系人と日本車の多いカリフォルニア・ハワイに集中してました。その後、アメリカでも部品が作られアメリカでは一般的に『 EURO 』と称されてました。日本車もヨーロッパ車もアメリカでは輸入車でまたエアロパーツやホイールはヨーロッパぽっかったからかもせれません。

 その後、LOWRIDERでも日本車は、『 LOWRIDER EURO 』として盛り上がり、『 Fast & furios 』の時代に向かってきます。そのころ 日本では湾岸 環状 ゼロヨンが盛り上がってる頃、一部の日本車好きはそこにも注目しました。そこからインポートドラッグレーシング、またドリフトへと市民権を得ていきます。
  時代は前後しますが、留めは日本でインテグラタイプR・シビックタイプRの誕生でしょうか。アメリカに無い色、エンジン・エアロパーツ等ファクトリーパーツだけでも充分クールになり、しかも「無限」や「SPOON」などメーカーに近いブランドの存在等アメリカでシビッククラスは学生が乗る手頃な足車です。しかし日本ではクールなスポーツカーになる事は魅力的な話です。日本の走り屋のシビックに作り替えてしまうのは必然の行為でしょう。

 『 Fast & furios 』の誇張した日本像と差別化して、よりリアルにしたグループを『 JDM 』と称する様になりました。並行してインターネットの普及でより情報が入る様になり また見せ合う事によりより深く細かく『 JDM 』は盛り上がっていきます。日本もインターネットの無い時代、アメリカンカスタムは想像のアメリカでした。その中でも一部、アメリカに足を運び生の物を見て、手に入れ日本で表現して"アメリ感”と差別化してましたがアメリカで『 JDM 』と称される様になり、じゃ〜我々は『 USDM 』だね!と今に至ってます。

 JDMも今やアメリカブランドで日本のクォリティーに近い(追い越した)物もあり USDM GUYとして嬉しい限りです。屁理屈を言えば、『 USDM 』は正規輸入のアメリカ車を本国仕様(アメリカ仕様)にして Edelbrock MAGNAFLOW などブランドで固めるのが本筋なんでしょう。日本で見かけるモダンマッスルは『 USDM 』には興味無い様に感じます。マスタング伝統の赤の流れるテールなんかマスタングの象徴なんですが、アメ車乗りと『 USDM 』は離れてる気がします。

 『 USDM 』は,アメ車よりアメリカっぽく。が共通認識で、車を中心にライフスタイルもアメリカに拘るグループでしょう。左ハンドルの珍しい日本車として乗ってる方とは少し思想が違う気がします。アメリカは人種の坩堝と言われます。いろんな人種 文化が混在してます 日本は白人 黒人のアメリカに憧れた時代もありましたが、都合よく西海岸やハワイに多いアジア文化や日系文化を日本でトレースしたのも『 USDM 』とも言えるかもしれません。



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